DOCTOR'S COLUMNドクターズコラム

2024.05.17

目頭切開

目頭切開のバリエーション②

Dr Kuroda

前回のコラムの続きになります。

私が普段使いしている目頭切開の方法の解説をしていました。

今回はZ形成を利用しない方法について解説いたします。

④リドレープ法

韓国の美容外科医が行うことが多く、韓流目頭切開と呼称されることがある方法です。蒙古ひだの稜線を含む皮膚を切除して縫合します。切除する皮膚の内側と外側の長さが異なるので、下眼瞼に沿って切開を伸ばして長さの違いを調整しながら縫合します。目頭の縫合部がほとんど表面に出ないので傷跡が目立たないことが最大のメリットになります。

リドレープ法のもう一つの特徴としては、蒙古ひだの下眼瞼に伸びる線を解除できることがあります。蒙古ひだが下眼瞼に長く伸びる人ではZ形成だと下眼瞼の傷跡が目立つことがあるので、これはリドレープ法のメリットと言えます。一方、目頭の稜線に沿った傷跡が術後に拘縮するので目頭の先端が若干丸くなりやすい、必ずしも平行型やミックス型の二重にはならないといったデメリットがあります。

私の場合には

・とにかく傷跡は目立たせたくない
・変化量はそこそこで良い
・尖った目頭は希望しない
・蒙古ひだの下眼瞼に伸びる線を改善したい

といったケースでは行う方法です。

⑤W形成

蒙古ひだの皮膚に対してジグザクに皮膚を切除しつつ蒙古ひだを弱める方法です。傷跡が直線的にならないので術後の拘縮が生じにくく後戻りが少ない、蒙古ひだが非常に大きなケースでもしっかり解除することが出来るといったメリットがあります。

一方、目頭が尖らない、手術手技が丁寧でないと傷跡が目立つ、小さすぎるデザインでは結局傷跡がほぼ直線になるので後戻りが生じうる、といったデメリットがあります。

私の場合には、W形成を初回の目頭切開の方法として行うことはありません。美容目的というよりは目元の先天奇形の治療で役立つ方法かなと考えています。

ですが、とあるケースではW形成が重宝します。それはいわゆる「目上切開」を行うケースです。

・涙丘の見え方は変えたくない
・目と目の距離を近くしたくないが平行型やミックス型の二重にしたい

といったケースでは内田法のように目頭に対してではなく、上まぶたの目頭側の被さりに対してW形成を行います。Z形成で目頭切開をしたけれどもう少し目頭側の二重幅を広くしたい、といった修正手術で利用することもあります。

⑥三日月法

蒙古ひだの皮膚を切除して縫合する非常にシンプルな手術です。手技的に簡単なのがメリットですが、直線的な傷跡なので拘縮で後戻りする、尖った目頭にできない、皮下の処理が稚拙だと凹みを伴った目立つ傷跡となるといったデメリットがあります。

以前は某大手美容外科で行われていましたが、流石に現在はほとんど行われていない方法です。私は目頭切開の初回手術に対して行ったことはありません。

あまり良いイメージが無い三日月法ですが限られたケースでは稀に行うことがあります。それは

・既に他院で目頭切開が行われており傷跡がワイドで目立っているケース
・蒙古ひだ形成の術後で涙丘の露出を僅かに広げたいケース

です。

傷跡修正のケースは「涙丘の露出が現状よりも多少増えても傷跡が綺麗になれば良い」という条件であれば適応されます。皮下を剥離して眼輪筋の処置をやり直して創部を丁寧に縫合することで傷跡を目立たなくすることができます。

私は解説した6種類の方法を症例によって適宜使い分けています。

どの先生にも得意で慣れた方法があります。私も最初から6種類の方法を使い分けていたわけではありません。美容外科医に成り立ての頃はハーフZ法ばかり行っていましたが、次第にそれだけでは対応できないケースが出てきたので少しずつ扱う方法が増えていっただけです。

目頭切開のカウンセリングでは

・涙丘の露出をどのくらいにしたいのか?
・尖った形の目頭にしたいか?したくないか?
・平行型やミックス型にしたいのか?
・傷跡の問題
・目と目の間の距離
・元々の蒙古ひだの大きさ

など様々な案件を考慮してどの方法で行うかを決定しています。

目頭切開については以前のコラムでも今回とは異なる視点から解説をしていますのでご参考いただければ幸いです。

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副院長 黒田大樹

#ドクターKの深掘り解説シリーズ

この記事の監修者

副院長

黒田 大樹

OHKI KURODA

2005年に信州大学医学部を卒業し2年間の初期研修医を修了後、形成外科医局として全国で最大規模の昭和大学形成外科に入局。形成外科医として11年間研鑽を積んだ後に、美容外科を専門として現在に至る。