DOCTOR'S COLUMNドクターズコラム

2024.12.06

その他

修正手術の時期

Dr Kuroda

修正手術について

当院では私達が行った手術の修正はもちろん、他院で行われた手術への修正も行っています。

患者様がご相談に来られるタイミングは、他院で手術をしてから2週間しか経過していないケースから数年経過しているケースまで様々です。

患者様の中には

「一刻も早く修正手術を受けたい」

と強く希望される方がいらっしゃいますが、修正手術には適切な時期があります。

今回は、修正手術の時期について解説します。

修正手術が可能となる時期について

修正手術が可能となるのは、

「手術から3~6ヶ月経過した頃」が一般的です。

手術後の経過として

術後1~2週間は組織の腫れが強い時期です。

術後1ヶ月は瘢痕拘縮期のピークで、傷跡の赤みや硬さが目立ちます。

術後3~6ヶ月では組織の腫れが引いて、傷痕の硬さや赤みも大幅に改善します。

修正手術まで期間を空けるべき理由

修正手術を3ヶ月は待った方が良いのにはいくつか理由があります。

仕上がりはダウンタイムが終わってから判断した方が良い

 ダウンタイム中は完成に向けて変化していく時期です。手術直後は良いと感じていても、完成してから気になる点が出てくるかもしれません。逆に最初は気になっていた点が、腫れが引いて傷跡が目立たなくなるつれて希望の形に落ち着いてくることもあります。

組織の浮腫や硬さが改善してからの方が手術操作がやり易い

 やむを得ない事情で3ヶ月経過していない組織にメスを入れる機会もあるのですが、浮腫が強く、傷跡は脆く、正確な手術操作は難しいです。

時間の経過とともに見た目の変化を受け入れられるケースがある

 目頭切開など印象の変化が大きい手術の後ではよくあるのですが、客観的に妥当な手術結果に見えても患者様の心が見た目の変化についていけないことがあります。3ヶ月経過しても違和感があるようであれば修正手術を検討する方が、余計な修正手術を受けずに済むことになります。

例外について

修正手術の時期にも例外はあります。

早期に処置をした方が良いケースとして

・血腫
・創部感染
・人工物挿入後の感染
・傷が開いた

などが考えられます。

その他にも、眼瞼下垂手術で抜糸の際に目の開きに大きな左右差がある時は、術後1~2週間の時期に再手術をするか、3ヶ月経過してから再手術をするかを患者様と相談して決めることもあります。

逆に6ヶ月以上待機した方が良いケースとして

・繰り返し修正手術を受けていて傷跡が硬い
・鼻の手術など1年ほど待機することでまだ浮腫みの改善が見込める

などが考えられます。

最後に

修正手術のご相談に来られる患者様の中には

「倍の料金を払うから、すぐに手術をして欲しい」
「自己責任で受けるので、すぐに修正して欲しい」

など、適切な時期を待たずしての修正を強く希望される方がいらっしゃいます。

お辛そうな様子を見ていると心が痛むのですが、修正手術を請け負う以上は医師に責任が生じます。修正手術には適切な時期というものがあることをご理解頂けると助かります。

手術から3ヶ月以内のダウンタイム中の状態については執刀医に相談するのが良いと思いますが、当院での修正を検討されている方には3ヶ月経過していなくても診察は行っておりますのでご相談下さい。

当院で受けた手術による修正においても原則3ヶ月経過してからの修正となりますが、経過で気になる点があるようであればいつでも検診にいらっしゃって下さい。

副院長 黒田大樹

#ドクターKの深掘り解説シリーズ

この記事の監修者

副院長

黒田 大樹

OHKI KURODA

2005年に信州大学医学部を卒業し2年間の初期研修医を修了後、形成外科医局として全国で最大規模の昭和大学形成外科に入局。形成外科医として11年間研鑽を積んだ後に、美容外科を専門として現在に至る。