DOCTOR'S COLUMNドクターズコラム

2023.11.10

脂肪吸引

フェイスラインの脂肪吸引

Dr Kuroda

突然ですが、人の顔を見て「若々しいな」とか「少し歳を重ねているのかな」って何で判断していると思いますか?

ほうれい線?

シワやシミ?

確かに、ほうれい線や肌の状態、目元、髪など各々のパーツもその人の年齢を推し量るのに参考になります。でも、まず最初にパッと一瞬でその人の年齢を脳が判断するのは輪郭と言われています。

最初にほうれい線は見ませんよね?

赤ちゃんのほうれい線は意外と深かいですが、「ほうれい線が深いからこの赤ちゃんは老けている」と思う人はいないはずです。

テレビなどで昔から活躍している芸能人を久しぶりにみると月日の流れを感じるのですが、やはりフェイスラインを見てそう感じることが多いです。

さて、若々しいフェイスラインの特徴としては次のことが大切です。

・下顎骨の境界がはっきりと見えていること
・顎下と首の間に余計な脂肪がなく引き締まっていること

他にも、喉仏の形が見えるとか胸鎖乳突筋が見えるとかもあるのですが、ちょっとマニアックなので忘れて構いません。

若々しいフェイスラインは加齢によって失われていくものではありますが、実年齢が若い人でもちゃんと上記の条件を満たせていますでしょうか?フェイスラインに皮下脂肪が多いと、若い人でもシャープなフェイスラインで無いことは大いにあり得ます。

若々しいフェイスラインを手に入れる、もしくは維持する方法は一つではありません。フェイスリフトやネックリフトといった外科的な方法、HIFUなどのたるみ治療機器、脂肪溶解注射、糸リフト、ボトックスなどなど。

そんな中で、総合的に鑑みて「脂肪吸引」が最もお勧めしやすい施術であると感じます。

フェイスラインの脂肪吸引のお勧めポイントを挙げていきます。

①ダウンタイムが短い

 吸引する範囲が手足や体幹に比べて狭いので、他の部位の脂肪吸引に比べるとダウンタイムが短いです。吸引孔は耳たぶの付け根と顎下の3箇所のみで目立ちません。術後48時間はフェイスバンドで圧迫が必要ですが、他の部位の脂肪吸引に比べると圧迫の必要な期間が断然短いです。1週間程度で大きな腫れは落ち着くので、日常生活への復帰も早く出来ます。

②引き締め効果が強い

 脂肪吸引をすると皮下に無数の傷が生じます。傷を治す時には拘縮という組織の引き締まりが起こるので、脂肪吸引をした部位は引き締まります。当院では脂肪吸引の前にベイザーという機械で皮下に熱を加えて脂肪を吸引しやすくするのですが、これも組織の引き締めに効果があります。たるみ治療のHIFUは皮膚の表面から超音波で皮下に熱を加えて組織の熱変性による引き締めを期待する施術ですが、脂肪吸引の際に用いるベイザーでは皮膚の表面からではなく皮下で直接その熱変性の作用を起こすことが出来ます。

③効果の持続が長い

 若いうちにフェイスラインの脂肪吸引を行なってしまえば、吸引した箇所の引き締まりが長期間持続します。また皮下脂肪が多ければ皮膚はたるみやすいですが、皮下脂肪が減少することで将来的なたるみの予防効果も期待できます。

 中高年でたるみが高度の場合には脂肪吸引後に皮膚のもたつきが残ってしまう場合もあります。ですが、糸リフトやフェイスリフトと組みわせると皮膚を引き上げた位置で脂肪吸引後の癒着が生じるので、やはり脂肪吸引はお勧めです。

④コスパ、タイパが良い

 フェイスラインの脂肪吸引は、脂肪吸引の中では手を出しやすい価格です。数ある美容外科施術の中でもコスパ上位と言えるでしょう。局所麻酔でも十分施術可能なので、静脈麻酔や全身麻酔の費用も節約できます。手術時間は30分前後ですし、ダウンタイムも短いのでタイパも良い施術です。

最後に、実際の症例写真をご紹介します。

術前はフェイスラインの脂肪が多く沈着していますが、術後は隠れていた下顎骨の境界がはっきりと見えます。顎下と首の間の余計な組織がなくなってスッキリとしています。

こちらの症例では、術前でもフェイスラインの脂肪沈着は少なめです。それでも術後は下顎骨の境界がさらに明瞭になって、シャープなフェイスラインになっています。脂肪吸引後の引き締めがよく分かる症例です。

術後のサポーターによる圧迫は涼しい季節の方が快適なので、脂肪吸引のベストシーズンは秋冬です。脂肪吸引もぜひご相談ください。

副院長 黒田大樹

#美容外科よもやま話シリーズ

この記事の監修者

副院長

黒田 大樹

OHKI KURODA

2005年に信州大学医学部を卒業し2年間の初期研修医を修了後、形成外科医局として全国で最大規模の昭和大学形成外科に入局。形成外科医として11年間研鑽を積んだ後に、美容外科を専門として現在に至る。

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