DOCTOR'S COLUMNドクターズコラム

2023.06.30

蒙古襞形成

蒙古ひだ形成について①『逆Z法の特徴』

Dr Kuroda

こんにちは。
ドクターKこと副院長の黒田です。

本当に自分に合うのか

「蒙古ひだ形成を受けたいけれど、どの術式が自分に合っているのか分からない」
と質問を頂くことがあります。

はい。分かりにくいですよね。解説します。
ちょっと難しい内容もありますが、頑張ってついてきて下さい。
蒙古ひだって何ぞや?という方は、以前のコラム(https://ro-clinic.com/blog/9006/)を
参照して頂けると幸いです。

当院では「逆Z法」と「VY法」が選べます。
それぞれの特徴が理解できれば、ご自身に合っている術式が分かります。

「逆Z法」の特徴

「逆Z法」の特徴は
①蒙古ひだを作り出すことが出来る
②目頭切開がZ形成で行われていれば、手術前の状態に約8割まで戻せる
③傷跡が目立つ可能性がある
④涙丘を隠す程度の細かなコントロールが難しい

です。それぞれ深掘り解説します。

◯蒙古ひだを作り出すことが出来る
蒙古ひだがあると、優しい印象、幼く見えるといった特徴がありましたね?
無くなってしまった蒙古ひだを取り戻したいのであれば逆Z法が合っています。

◯目頭切開がZ形成で行われていれば、手術前の状態に約8割まで戻せる
字のごとく逆Z法ですから、目頭切開の傷跡を切って戻してあげれば良い訳です。

なぜ約8割と歯切れが悪い表現をするか引っかかりますよね。
人の組織は傷が治る過程で縮まる力が働きます(拘縮といいます)。
なので目頭切開の手術を完全に逆再生できたとしても、目頭切開前と全く同じにはなりません。
目頭切開をZ法で行っていても組織を切除するケースもありますから、その場合も目頭切開以前と組織の量が違うので同じには戻せません。

蒙古ひだが部分的に残っているケースでは逆Z法の適応とならないことが多いです。

◯傷跡が目立つ可能性がある
新たな蒙古ひだは、目頭の皮膚を三角形に切って頭巾状に折りたたんで作ります。
三角形に切り出した部位は縫って閉じるのですが、この傷が目立つ事があります。

◯涙丘を隠す程度の細かなコントロールが難しい
涙丘は1mm程度狭くできますがVY法ほど細かい調整はできません。

さて、次は「VY法」の解説ですが、長くなってきたので次回に続きます。

副院長 黒田大樹

#ドクターKの深掘り解説シリーズ

この記事の監修者

副院長

黒田 大樹

OHKI KURODA

2005年に信州大学医学部を卒業し2年間の初期研修医を修了後、形成外科医局として全国で最大規模の昭和大学形成外科に入局。形成外科医として11年間研鑽を積んだ後に、美容外科を専門として現在に至る。