DOCTOR'S COLUMNドクターズコラム

2024.04.19

その他

私は他に何をすれば良いですか?

Dr Kuroda

カウンセリングや検診で、

「私は他に何をすれば良いですか?」
「先生から見ておすすめの施術を教えて下さい」

と質問を頂くことが多々あります。

このような時に、どうお答えするべきか迷ってしまいます。

マイナス要素の部分があれば、その部分を平均まで引き上げて目立たないようにするのが良いと思っています。

ですが、患者様が自覚していないマイナス要素を指摘することで余計な心配事を増やしてしまうのではないか?という不安があります。

以前そのような質問を受けた際に正直にお伝えしたところ、後日「私の顔の欠点をニコニコしながら指摘してきて傷ついた」とクレームを頂いた苦い経験があります。

この質問にお答えするには患者様の人柄や年齢、職業などのバックグラウンドも考慮する必要があり、初診の患者様に質問されても答えに窮することになります。

我々美容外科医にこの質問をするとポジショントークやセールストークの要素が入ってきてしまいます。髪型やメイクなど美容外科手術よりも低リスクで変化が感じられる手段があったとしても、美容外科医は美容施術を勧めてくるものだということも忘れてはいけません。

患者様に相談箇所以外の施術を勧めることは控えるようにしていますが、そのような質問をされた場合に何もアドバイスをしない訳にはいかないのが現状です。

そこで私が考える「一般的に何をしたら良いか」をお答えしたいと思います。

目元

一重まぶたか二重まぶたかの印象の違いは絶大です。一重まぶたの人であれば、奥二重でも良いので二重にすることで大きな満足が得られると思います。

二重まぶたの人でも、目の開きが悪い人は目の開きを改善する手術をすると目に光が入って表情が魅力的になります。

二重幅については広さにこだわらずに目元が綺麗に見える幅にすることをお勧めしています。

輪郭

綺麗な顔立ちの人は総じて輪郭が整っています。額、頬骨、エラ、口元、顎のバランスに明らかに悪目立ちする部位があれば、そこを整えることでバランスが整います。

骨切ができればベストですがボトックスやヒアルロン酸注入なども低侵襲で良い方法です。口元であれば歯科矯正も良い選択肢だと思います。

鼻は顔の中心にある重要なパーツです。鼻は、「ブタ鼻」「団子鼻」「あぐら鼻」「ぺちゃ鼻」「魔女鼻」など悪い印象を表現する言葉は数多あるけれど、カッコ良い鼻を表現する言葉って無いんですよね。数年前から「忘れ鼻」というフレーズが流行っていますが、カッコ良い印象に残る鼻よりも印象に残らない悪目立ちしない鼻が良いでしょう。もし鼻に何らかの目立つマイナス要素があれば、その部分を整えることは良いと思います。

肌の綺麗さはとても大切です。どんなにパーツが整っていて肌が綺麗でないと魅力が半減してしまいます。特に男性の患者様は肌ケアを疎かにしている人が多い印象です。目元や鼻を気にしていても、「まず肌でしょ」と思わず指摘したくなる時もあります。清潔感は正義です。

適正体重

ガリガリにダイエットをする必要はありませんが、適正体重を保つことは美しくいるためには何より重要です。ぽっちゃりしている人は適正体重までダイエットをする方が、手術をするよりも目元もパッチリして鼻もスッとします。

美しさを求める気持ちにはゴールがありません。誰もが知る芸能人さんがご相談に来られて「⚪︎⚪︎が気になって」と悩まれているのを見ると、これほど綺麗な人でもまだ悩みがあるのだなぁと考えさせられます。

気になる点やコンプレックスについてはご相談いただければ、親身にアドバイスをいたします。ですが「私は他に何をすれば良いですか?」と現状に満足せずにもっと×2と考えてしまうとちょっと危険信号です。

美容外科施術は人生の質を上げるための手段ですから、目的になってはいけません。

「足るを知る」というマインドは持っていたいものです。

副院長 黒田大樹

#美容外科よもやま話シリーズ

この記事の監修者

副院長

黒田 大樹

OHKI KURODA

2005年に信州大学医学部を卒業し2年間の初期研修医を修了後、形成外科医局として全国で最大規模の昭和大学形成外科に入局。形成外科医として11年間研鑽を積んだ後に、美容外科を専門として現在に至る。