DOCTOR'S COLUMNドクターズコラム

2023.10.27

ハンプ骨切り

わし鼻について

Dr Kuroda

今回のテーマは「わし鼻」です。

わし鼻とは、横から見た時に鼻すじの中央付近が凸になっている形態の呼び名です。
医療者はハンプと呼びます。

わし鼻の凸の部分は骨と軟骨で構成されていて、凸の上部分は鼻骨、下部分は鼻中隔軟骨と外側鼻軟骨です。

鼻すじを親指と人差し指で挟むように上から触ってみて下さい。上1/3あたりは硬い骨が触れますが途中から細くて可動性のある軟骨が触れるようなりますよね?その骨と軟骨の繋ぎ目の部分が盛り上がっているとわし鼻になります。

わし鼻の人は、全体的に鼻が大きく鼻先が垂れたように見えることが多いです。

鼻先の垂れが強い形態は、鉤(かぎ)鼻や魔女鼻と呼ばれることもあります。

わし鼻は男性的な印象の鼻に見えます。

さて、鼻を考える上で最も重要なパーツはどこだと思いますか?

私は「鼻先」だと考えています。

もちろん鼻すじも小鼻も大切なのですが、あくまでも主役は鼻先です。

わし鼻の最大の問題点は、脇役である鼻すじの主張が強すぎて、主役である鼻先の存在感を食ってしまうことです。

鼻先が綺麗に引き立つようにするためには、脇役の鼻すじには一歩引いてもらう必要があります。鼻すじは鼻先に向かって平らか、やや反るような形状だと鼻先が引き立ちます。

わし鼻の人がそのような鼻すじにするためには、ハンプ骨切り(わし鼻修正)が必要です。

綺麗な鼻すじになるように、鼻骨を削り、軟骨を切除して形態を整えます。

実際の症例を見てみましょう。

鼻尖形成+耳介軟骨移植で鼻先の高さと細さを出しつつ、ハンプ骨切りでわし鼻を修正しています。鼻尖は足し算、鼻すじは引き算をすることで、「鼻尖が主役」「鼻すじが脇役」のバランスになりました。

男性的に見えるわし鼻ですので、女性には好まれない傾向があります。

しかし女性でも、わし鼻だけど魅力的な顔貌の人もいます。
松雪泰子さん、天海祐希さん、北川景子さんなどはわし鼻ですが魅力的なお顔です。

わし鼻でも魅力的な鼻の人に共通している特徴として、圧倒的に鼻先が綺麗ということが挙げられます。

具体的には、鼻先の高さが十分にあり、鼻先の細さがあり、鼻先と鼻翼のバランスが整っています。そのような条件が揃っていれば、わし鼻でも魅力的な鼻に見えます。

先程の例えで説明すると、脇役の鼻すじが出しゃばっても、それ以上に主役の鼻先が輝いているのでわし鼻が悪さをしないのです。

一方、鼻の悩みを抱えている方は、鼻先の高さが足りない、鼻先が丸い、鼻先と鼻翼のバランスが悪いことが多いです。そのような方は、わし鼻に負けない鼻先を作ろうとすると色々と無理があるので、鼻すじに一歩引いてもらい鼻先に一歩前に出てもらうとバランスが整います。

わし鼻と患者様が自己判断していても、実際は鼻先が垂れていることでわし鼻風に見えているケースもあります。

軽度のわし鼻であれば骨や軟骨を削らなくても鼻先の高さを出したり、わし鼻の上下の凹みを耳介軟骨などを移植してカモフラージュ出来ることもあります。

カウンセリングでは3D画像シミュレーターで、わし鼻を改善した場合の印象の変化を確認していただくことが可能です。わし鼻の程度に応じた治療方法をご提案しますのでお気軽にご相談下さい。

副院長 黒田大樹

#ドクターKの深掘り解説シリーズ

この記事の監修者

副院長

黒田 大樹

OHKI KURODA

2005年に信州大学医学部を卒業し2年間の初期研修医を修了後、形成外科医局として全国で最大規模の昭和大学形成外科に入局。形成外科医として11年間研鑽を積んだ後に、美容外科を専門として現在に至る。