DOCTOR'S COLUMNドクターズコラム

2023.12.08

鼻翼縮小

鼻翼縮小を最初に提案しない訳

Dr Kuroda

「小鼻の膨らみが気になる」とご相談された際に、鼻翼縮小を提案しない事があります。
今回はその理由について解説いたします。

鼻翼縮小は最初にやらない、と決めつけている訳ではありません。

小鼻のみがマイナスポイントであれば、鼻翼縮小がファーストチョイスの治療となります。
鼻先の丸みが少ない人であれば最初から鼻翼縮小を行っても良いと思います。

では、鼻先が丸い人が鼻翼縮小のみを行うとどうなるでしょう?

鼻翼は小さくなりますが、鼻先の丸みは逆に強調されてしまいます。

鼻先の丸みがあるケースでは、鼻翼縮小を行うよりも鼻先を整える手術を先に行うのがおすすめです。

先に鼻先を細くしておけば、後に鼻翼縮小を行っても鼻先の丸さが強調されてしまう心配がありません。更に嬉しいことに、鼻先が高くなると小鼻の膨らみが伸ばされて見え方も変化します。

ここで、実際のモニター患者様の症例を見てみましょう。

いずれも鼻尖形成+耳介軟骨移植を鼻先に行っているケースです。

下段のアフター写真の方が微笑みがちで小鼻が広がり易い状況ですが、小鼻の膨らみは気になりません。小鼻の幅自体は変化していませんが、鼻先が細く高くなったことで小鼻の見え方が変化しています。

下段のアフター写真の方が鼻先が細くなったことで、正面からの小鼻の膨らみが減少して見えます。

如何でしたか?
以前わし鼻のコラムで「鼻の主役は鼻先」とお伝えしましたが、鼻先の変化の重要性が伝われば幸いです。

鼻先の丸みと小鼻の膨らみを訴えている人でも、鼻先の手術を行なうと小鼻は気にならなくなって鼻翼縮小は希望されないケースはかなり多いです。

私が鼻翼縮小を安易にお勧めしないのには、他にも理由があります。

鼻翼縮小は組織を切除するので元に戻せない一方通行の手術だということです。

他の鼻の手術と比べると鼻翼縮小は傷跡が残る手術なので、傷跡のデメリットよりも得られるメリットが上回る場合でなければおすすめしたくないと考えています。

鼻翼縮小はいわば仕上げの手術で、鼻筋や鼻先に改善するポイントがあればそちらを優先させる方が良いと考えています。

最初から鼻翼の手術を行うのは

・鼻尖が丸くなく小鼻のみがマイナスポイント
・明らかに鼻の横幅が広い(鼻腔底が広い)
・鼻孔縁切除、鼻翼挙上を行うことでバランスの改善が見込める

といったケースに限られてきます。

患者様:「小鼻が気になるので鼻翼縮小がしたいです」

医師:「分かりました。鼻翼縮小しましょう」

では、売店の店員さんと変わりませんね。

患者様の希望を伺った上で、必要に応じて最適な治療法を提案するのが美容外科医としての勤めだと考えています。

副院長:黒田大樹

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この記事の監修者

副院長

黒田 大樹

OHKI KURODA

2005年に信州大学医学部を卒業し2年間の初期研修医を修了後、形成外科医局として全国で最大規模の昭和大学形成外科に入局。形成外科医として11年間研鑽を積んだ後に、美容外科を専門として現在に至る。