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2024.04.26

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奥目と出目

Dr Kuroda

奥目と出目

「奥目」と「出目」って美容に詳しい人以外には耳慣れない言葉かもしれません。

字の如く、眼球が奥まって見えるか突出して見えるかを指す言葉です。

医学的には、バセドウ病などで眼球突出している場合や眼窩底骨折などで眼球陥凹しているものを治療対象とすることがあります。

ですが、美容的に奥目・出目と言われているものは正常範囲内で相対的にどう見えるか?であって明確な定義はありません。

奥目か出目かは、眉毛部の骨や頬骨の位置に対して眼球の黒目の位置が前にあるか奥にあるかで判断することが出来ます。自分で手軽に判断する方法としては手のひらで目元を覆ってみてください。手のひらに眼球の膨らみを触れないようであれば奥目、触れるようであれば出目の可能性が高いです。

奥目とは

奥目の特徴としては

・眼球が奥にあるので光が入りにくく目が小さく見やすい
・まぶたの開け閉めは垂直方向に動く
・目と眉毛の間の距離が近い
・皮膚越しに眼球の丸みが分かりにくく平坦に見える

ことが挙げられます。

出目とは

一方、出目の特徴としては

・目に光が入りやすく目が大きく見えやすい
・まぶたの開け閉めは眼球に沿って弧を描くように動く
・目と眉毛の間の距離が遠い
・皮膚越しに眼球の丸みが分かる

ことが挙げられます。

奥目や出目の治療について

奥目や出目そのものを美容外科施術で治療することは難しいです。バセドウ病や顔面骨骨折に伴うものであれば治療対象となるのですが、美容外科的な奥目・出目を治療することは一般的ではありません。奥目・出目は個性と捉えてそれぞれの特徴に合った施術を検討する方が現実的です。

奥目はまぶたが垂直方向に開閉する上に目と眉の距離が近いので、二重ラインに被さる皮膚が多くなります。そのため広い二重幅を作成するのが難しい目元です。無理に広い二重を作成しても眉毛のすぐ下に二重ラインがあるような不自然な目元になってしまう場合があります。広めの二重幅よりは不自然に見えない似合う二重ラインにすることが大切です。眼瞼下垂手術や目尻切開やグラマラスラインといった手術では、奥目は大きな変化を出すことが難しい場合があります。

出目はまぶたが眼球に沿って弧を描くように開閉する上に目と眉の距離が遠いので、二重ラインに被さる皮膚が少なくなります。そのため広い二重幅が作成しやすい目元です。逆に控えめな二重を希望されている場合にはデザインで気をつけないと希望より幅の広い二重に仕上がってしまう可能性があるので注意が必要です。眼瞼下垂手術や目尻切開やグラマラスラインといった手術では、出目の方が大きな変化を出しやすい傾向があります。

症例紹介

こちらの症例写真をご覧ください。

こちらの奥目傾向の方ではまつ毛の生え際から7ミリに切開ラインを設定して2ミリ皮膚切除をしています。

一方、こちらの出目傾向の方にもまつ毛の生え際から7ミリに切開ラインを設定して2ミリ皮膚切除をしています。

同じライン設定をしても、奥目の人と出目の人では異なる仕上がりになります。もちろん、二重幅はそれ以外にも皮膚の余りや眉毛挙上のクセや目の開き具合など様々な要因の影響を受けます。ですから「ネットで⚪︎ミリが良いって書いてありました」とか「この症例では⚪︎ミリって書いてあるので同じにしてください」といった発言は的を得ていないことがお分かりいただけると思います。

奥目と出目の特徴について書きましたが実際に診療をしていると、どちらでもない平均的な目元の人が大多数で時々治療方針に影響がある奥目や出目の人がいるという感じです。患者様がご自身の目元が奥目か出目かを気にしすぎる必要はありません。

奥目の人がパッチリ幅広の二重を希望して出目の人の写真を持って相談に来られたとします。その際には医師から目元の違いを説明し奥目にあった方針をご案内します。

副院長 黒田大樹

#ドクターKの深掘り解説シリーズ

この記事の監修者

副院長

黒田 大樹

OHKI KURODA

2005年に信州大学医学部を卒業し2年間の初期研修医を修了後、形成外科医局として全国で最大規模の昭和大学形成外科に入局。形成外科医として11年間研鑽を積んだ後に、美容外科を専門として現在に至る。