DOCTOR'S COLUMNドクターズコラム

2023.11.03

二重切開

上まぶたたるみ切除

二重埋没

二重幅を決めるとき

Dr Kuroda

カウンセリングで
「しっかりと目を開いても狭くならない二重幅にしたいです」
と言われることがあります。

写真を撮られるときなどに二重幅が狭くなるので、もっと二重幅を広げたいと考えるのだそうです。仮にリクエスト通りに、大きく目を見開いた状態で奥二重にならない二重を作成したとしましょう。すると、想像していたより広い二重になってしまった、と感じることがあります。

しっかり目を大きく開けた状態で奥二重にならないようにすることは可能です。しかし、ここに落とし穴が潜んでいる可能性があります。

二重幅は表情によって広くなったり狭くなったりすることを忘れてはいけません。

試しに手鏡を持って自分の目元を見てみましょう。
鏡を下方に持って、軽く顎を上げるようにして鏡をみると二重幅が広くなります。
逆に、鏡を上方に持って見上げる様に見ると二重幅が狭くなると思います。
指で眉毛を持ち上げれば、二重幅は広くなります。
逆に指で眉毛を下げると、二重幅が狭くなります。

アイプチなどで擬似的に二重を作成している場合では、皮膚が固定されていて表情によって二重幅が変わらない場合もありますが、天然の二重や手術で作成した二重の場合は表情によって二重幅は変わります。大きく目を開くと二重幅は狭くなるのです。

大きく目を開けているのは限られた状況です。

写真を撮るときや鏡をみるときは意識的に大きく目を開くかもしれませんが、そのままずっと目を大きく開いていることは疲れてしまって出来ません。

目を大きく開いたときに合わせて二重幅を決めてしまうと、普通に目を開けている時にはかなり広い二重幅に感じてしまうことになります。目の開きがあまり良くない人ほど、意識的に大きく目を開いた状態と普段の状態の差があるので、この落とし穴にハマる可能性が高くなります。

基本的には、普通に目を開いた状態で最も綺麗に見える二重幅を決めて頂くのが最善です。

それでも意識的に大きく目を開けた状態で狭くならない二重を希望される場合にはどうしたら良いでしょうか?

目の開きが良くて瞼の皮膚が薄い人は幅広二重でも似合うので、希望通りの幅で作成して良いでしょう。問題となるのは、目の開きがあまり良くない人や、瞼の皮膚が厚い人です。

目の開きがあまり良くない人は眼瞼下垂手術をして普段の目の開きを改善させれば、大きく目を開いた状態との差が少なくなるので希望の二重幅で作成しやすくなります。

瞼の厚い人は、希望の幅で作成すると厚ぼったさが際立つようになってしまうので、眉下切開や前額リフトを検討する必要があります。

いずれにせよリスクは増えますから、やはり無理のない自然な二重幅を選ぶことが重要です。

副院長 黒田大樹

#美容外科よもやま話シリーズ

この記事の監修者

副院長

黒田 大樹

OHKI KURODA

2005年に信州大学医学部を卒業し2年間の初期研修医を修了後、形成外科医局として全国で最大規模の昭和大学形成外科に入局。形成外科医として11年間研鑽を積んだ後に、美容外科を専門として現在に至る。