DOCTOR'S COLUMNドクターズコラム

2025.06.13

その他

夏場の手術は避けた方が良い?

Dr Kuroda

6月に入り、関東地方も梅雨入りしました。
蒸し蒸しジメジメする季節ですが、梅雨が明ければ夏が来ます。
プールにスイカ、カキ氷と四季の中で夏が一番好きです。

近年は温暖化の進行によって、夏も中々過酷なシーズンになってきました。
僕は、日焼け止め+日傘で紫外線ケアをしていますが、ランニングするのでシミが、、、。

さて、この時期のカウンセリングをしていると
「夏場の手術は避けた方が良いですか?」
「夏は術後の感染が心配で、、、」
との質問を頂く機会が増えます。

結論からお伝えすると

夏場に手術をすると感染率が上がるというのは迷信です!

僕が医者になった20年前にも同様の質問を受けることがありましたし、令和になった今でも、年配の方はもとより若い患者様からも質問されることもあるので、中々根深い迷信ですよね。

おそらく昭和初期の時代は、夏場の方が感染しやすい、というのはあったのかと思います。

でも、その頃と現代ではまるで環境が異なります。

・上下水道が未発達で、毎日シャワーや入浴・洗顔をする習慣がない
・屋内でも冷房がない
・傷を洗っては駄目と信じられていた
・薬剤やガーゼなどの衛生材料の品質が劣っていた
・栄養状態が良いとは言えない

このような環境下で、腹部の開腹手術などでは夏場の方が合併症の頻度が高かった可能性はあるかも知れません。

でもでもでも、今は室内は冷房が効いていて、傷も術後早期から洗うことが可能で、昭和初期とはまるで状況が違います。さらに、美容外科の対象となる顔面周囲は血流が良く、腹部や手足と比べると感染率が低い部位です。

なので、夏場だから手術を避けた方が良い、という心配は無用です。

あえて夏場の注意事項を挙げるとすれば、最低限の紫外線ケアを怠らないことです。早期の傷跡に紫外線を浴びると色素沈着する可能性があるためです。でも、これは冬場でも気をつける必要があります。

感染率うんぬんの話ではありませんが、
・脂肪吸引など術後の圧迫が必要な施術
・鼻の骨切りなど術後のギプス装着が必要な施術
は夏場を避けた方が快適なのはあると思います。

夏場は帽子やサングラスを装着していても悪目立ちしないですし、花粉症もオフシーズンです。
目元周りの手術をするのであれば、むしろアリなシーズンかもしれません。

副院長 黒田大樹

#美容外科よもやま話シリーズ

この記事の監修者

副院長

黒田 大樹

OHKI KURODA

【R.O.clinic 副院長】
日本形成外科学会専門医
日本美容外科学会専門医(JSAPS)

自然で美しい仕上がりを追求し、患者一人ひとりの理想に寄り添った施術を提供します。