2025.02.19
オトガイ形成
オトガイ(顎先)へのハイドロキシアパタイト人工骨移植
オトガイ(顎先)へのハイドロキシアパタイト人工骨移植:手術の流れやメリットデメリットを解説します。
CONTENTS
はじめに
顎の形は、顔全体の印象を大きく左右する要素の一つです。特にオトガイ(顎先)の骨が小さい・後退している場合、お顔が小さくても丸顔や四角い顔に見えたりして、すっきり見えないことがよくあります。
そんなお悩みを解決する方法の一つとして、ハイドロキシアパタイト(HA)を使用した人工骨移植があります。この手術は、オトガイ部分の形状を整えつつ、自然な仕上がりを目指せるのが特徴です。本記事では、オトガイへのハイドロキシアパタイト人工骨移植の概要や手術の流れ、メリット・デメリットについて詳しく解説します。
ハイドロキシアパタイトとは?
ハイドロキシアパタイト(HA)**は、歯や骨の主要成分であるリン酸カルシウムを主成分とする人工骨素材です。生体親和性が非常に高く、人体の骨と自然に結合する特性を持っています。
ハイドロキシアパタイト人工骨の特徴
✅ 生体適合性が高い:アレルギーや拒絶反応が起こりにくい
✅ 骨と結合しやすい:時間とともに自身の骨と一体化
✅ 自然な仕上がり:シリコンなどの異物感が少なく、触り心地も自然
オトガイへの人工骨移植が必要なケース
オトガイ(顎先)へのハイドロキシアパタイト人工骨移植は、以下のようなケースで検討されることが多いです。
- 顎先が小さい・後退している
• 横顔のEラインを整えたい
• 顎が小さいことで顔全体が丸く見える - フェイスラインをシャープにしたい
• 顎のボリュームを出すことで、輪郭を引き締めたい - シリコンインプラントの代替として
• シリコンインプラントの異物感が気になる
• 長期的により自然な仕上がりを目指したい
手術の流れ
①術前カウンセリング・検査
• CTスキャン撮影を行い、オトガイの骨量や形状を確認します。
そこから3D骨モデルを作成します。
• 患者様のご希望をもとに、どの程度のボリュームを追加するか設計を行います。
②麻酔
• 局所麻酔または静脈内鎮静法を使用し、手術中の痛みを抑えます。
③口腔内からのアプローチ
• 通常、口腔内(下唇の内側)を小さく切開し、オトガイの骨が露出するようにします。
• 外側に傷が残らないため、見た目に影響がありません。
④ハイドロキシアパタイト人工骨の移植
• 顎先にハイドロキシアパタイト製の人工骨を配置し、自然な形に成形します。
• 必要に応じて自家骨と併用することもあります。
• 人工骨を吸収性の糸で固定します。
⑤縫合と回復
• 切開した部分を縫合し、数日間の固定期間に入ります。
• 腫れや内出血は1~2週間程度で落ち着くことが多いです。
• 骨が完全に定着するまで約3~6ヶ月かかります。
ハイドロキシアパタイト人工骨移植のメリット・デメリット
メリット
✅ 自然な仕上がり → 自身の骨と融合し、異物感が少ない
✅ 長期的に安定 → 骨と結合するため、時間とともにより馴染む
✅ 感染リスクが低い → 自家骨採取を伴わないため、手術部位が一箇所で済む
デメリット
定着まで時間がかかる → 骨と結合するまで数ヶ月必要
手術費用が高め → シリコンインプラントよりコストがかかる
術後の注意点
手術後の経過を良好に保つために、以下のポイントを意識しましょう。
✔ 術後1週間
• 腫れ・内出血がピーク
• 激しい運動や刺激物(辛い食べ物・熱い飲み物)を控える
• 口の中の清潔を保つためにうがい薬を使用
✔ 術後1ヶ月
• 腫れはほぼ引き、自然なラインに
• 骨が徐々に結合し始めるため、顎への過度な負荷を避ける
✔ 術後3~6ヶ月
• 骨と人工骨が安定し、完全に定着
• 触り心地も自然になり、見た目もより馴染んでくる
まとめ
オトガイ(顎先)へのハイドロキシアパタイト人工骨移植は、顎のバランスを整え、よりシャープなフェイスラインを形成する手術です。特に、シリコンインプラントと違い、骨と結合して自然に仕上がるのが大きな魅力。
「顎が小さくて悩んでいる」「フェイスラインを整えたい」と考えている方は、一度是非相談し、自分に合った治療法を検討してみてはいかがでしょうか?

この記事の監修者

呂 秀彦