DOCTOR'S COLUMNドクターズコラム

2024.09.27

豊胸術

脂肪注入と乳房再建

Dr Tatsuta

脂肪注入は、乳がん術後の乳房再建を希望する方の選択肢の一つになります。
脂肪注入単独での乳房再建や、シリコンバッグや自家組織再建といった他の手術との併用も可能です。併用することで、それぞれの術式のデメリットをカバーし、よりきれいな乳房を再建することが可能になります。

乳房再建の術式や治療のタイミングについては沢山の選択肢がありますから、どのような段階でどの術式を選択するかは、乳がんの治療状況や胸の大きさ・形などに応じて相談していくことになります。

前回のコラム「脂肪豊胸の基礎」と同様、脂肪吸引は腹部や大腿などから行います。
脂肪注入は乳房のアンダーラインに沿った場所や、乳輪縁、乳がん術後の傷あとなどから行います。
脂肪注入による脂肪の生着率はおおよそ30~50%程度なので、複数回の手術を行うことも多いです。複数回に渡り手術を行う場合は、半年以上間隔を開けることから乳房再建の治療期間は長くなります。

現在、乳がん術後に対する脂肪注入は自費診療(保険適応外)です。
しかし、保険適応の自家組織再建とは違い、小さな傷あとでご自身の組織を用いて再建ができるという点は、この手術のメリットと言えます。

当院では乳がん術後の方の脂肪注入も可能ですので、ご相談いただければと存じます。

この記事の監修者

非常勤医師

辰田 紗世

Sayo Tatsuta