DOCTOR'S COLUMNドクターズコラム

2024.09.06

豊胸術

脂肪豊胸の基礎

Dr Tatsuta

脂肪豊胸では、ご自身の脂肪を吸引して、乳房にその脂肪を移植します。

移植した脂肪は、酸素と栄養が届くと生着します。低酸素状態だと生着できません。生着できなかった場合を脂肪の壊死といいます。脂肪が壊死した結果として、しこりや感染が生じることがあります。

脂肪壊死が起きないようにするには、脂肪注入量が多すぎないように調整する必要があります。そもそも脂肪を移植するスペースがないと脂肪を移植することはできません。狭いスペースに多くの脂肪を注入していくと、すぐに脂肪が充満して栄養を運んでくる周りの血管を圧迫し、脂肪への血流が減少し、酸欠になり、結果として脂肪の生着率が下がります。

満員電車をイメージすると分かりやすいと思います。乗客が多すぎると、ホームに押し出されそうですよね。

つまり1回あたりに移植できる脂肪注入量には限界があります。

豊胸のための脂肪吸引では脂肪の量が必要になることから、腹部や大腿部から脂肪吸引することが多いです。吸引した脂肪は主に乳房皮下や大胸筋下に注入します。通常、乳腺内には注入しません。

術後マッサージについては、脂肪注入直後は注入を均一にするため行いますが、ご自身でマッサージを行うと血管の再生が損なわれ、また脂肪組織にダメージがおよんでしまいます。

脂肪は劣化しやすく環境の変化にデリケートですので、手術する際にはご自宅での注意事項などもお伝えしております。

この記事の監修者

非常勤医師

辰田 紗世

Sayo Tatsuta