DOCTOR'S COLUMNドクターズコラム

2024.07.05

豊胸術

シリコンバッグ豊胸

Dr Tatsuta

まず豊胸のカウンセリングでは、乳房の大きさや乳房周囲の皮下脂肪の厚みなど診察の上で、どのような術式が合っているのかを判断していきます。

今回は豊胸の中でもシリコンバッグ豊胸についてお話させていただきます。

現在、米食品医薬品局(FDA)の承認のあるシリコンバッグは、シリコンの膜で出来た袋の中に、シリコンジェルが充填されています。このジェルは、コヒーシブタイプといって、たとえ袋が破れても、中にあるシリコンジェルが外に流出することのないジェル状のシリコンが詰まっている構造をしています。

シリコンバッグのサイズとしては、様々な大きさのものが用意されています。
どのような大きさのシリコンバッグがご希望の乳房ボリュームに沿えるか、3Dシミュレーションを使用して選定していきます。

シリコンバッグを挿入する部位としては、乳腺下とその下にある大胸筋下の2つが代表的です。この他に大胸筋膜下といった選択もあります。またデュアルプレーン法は大胸筋の骨との付着部を部分的に切離することで、シリコンバッグの一部は乳腺下、一部は大胸筋下に挿入する方法です。

乳腺の組織量が少ない場合は、乳腺下に挿入するとシリコンバッグの形態が体表から見えやすく、大胸筋下に挿入する選択をすることも多いです。脂肪豊胸も併せて、ハイブリッド豊胸にするという選択肢もあります。
シリコンバッグは、大胸筋下に挿入するとバックの形状は体表から見えにくくなりますが、大胸筋の収縮とともに皮膚が動き乳房が不自然な形態を呈することがあります。
デュアルプレーン法では、大胸筋下に挿入しますが、大胸筋の付着部を切離するため、大胸筋収縮によるシリコンバックの移動は生じにくいです。

皮膚切開部はワキの下(腋窩)、アンダーバスト(乳房下溝)、乳輪がありますが、乳輪の周辺から挿入される例はごく少ないです。

それでは、シリコンバッグ豊胸の注意点などについて次回のコラムにつづきます。

この記事の監修者

非常勤医師

辰田 紗世

Sayo Tatsuta