2025.11.07
蒙古襞形成
蒙古ひだ形成VY法について
今回のテーマは「蒙古ひだ形成VY法」についてです。
CONTENTS
VY法とは

イラストのように目頭にV字型に切開を加え、ジッパーを閉じるように上下の皮膚をY字型に縫い上げます。Y字のVの部分は蒙古ひだの裏側になるので、表面から見える傷跡はY字のIの部分、直線の傷跡になります。
VY法の特徴
VY法の最大の特徴は
「涙丘の見え方の微調整が出来ること」
「傷跡が目立ちにくい」
ことです。
手術中に涙丘の露出具合をチェックし、もう少し狭くしたい、もしくは広くしたい、といった際に1ミリ単位で微調整が可能です。逆Z法では手術中に細かな微調整が難しいのに対して、VY法の場合には手術中の微調整の自由度が高いです。

※手術中に鏡でチェックして、仕上がりの調整をしています。(執刀医によって行わない場合もあります)
VY法の傷跡は、他の蒙古ひだ形成に比べて傷跡が短く済むので、傷跡が目立ちにくいという点も優れています。
VY法では逆Z法のように立体的な被さりのある蒙古ひだではなく、平面的に目頭に皮膚が被さり涙丘の露出が狭くなる術式です。
蒙古ひだが残っているケースでは、蒙古ひだが残った状態のまま涙丘が狭くなる仕上がりに、蒙古ひだが完全に解除されているケースでは、その形のままに涙丘が狭くなるイメージです。
言葉で説明すると伝わりにくいので、後ほどお見せする症例写真の方が変化のイメージが分かりやすいと思います。
VY法のリスクなど
涙丘の露出具合をかなり高精度に調整できる手術ですが、目頭の形については手術前の目頭の形の影響を受けます。術前が丸い目頭であれば丸い目頭に、尖った目頭であれば尖った目頭に、蒙古ひだの被さりが残っていればそのような目頭に仕上がることが多いです。ある程度は調整できるのですが、目頭の組織の量や傷跡の影響もあるので希望通りの形を再現できない可能性があります。
後戻りについては3ヶ月後の計測値は手術中の計測値より1ミリずつ広くなることが多いです。手術中の麻酔で腫れている状態で計測した内眼角距離が37ミリだった場合には、3ヶ月後に計測すると35ミリになっている感じです。
これは平均的な変化の値であり、大きく後戻りすることや、殆ど後戻りが生じないケースもあり得ます。
VY法が向いている人
VY法は、
・目頭切開をする前の蒙古ひだには戻したくないが、涙丘が見えすぎて違和感がある
・涙丘の露出具合を1ミリ単位で微調整したい
・平行型二重が末広型に変化するのが嫌
といった希望の人に向いている術式となります。
一方、
・目頭切開をする前の蒙古ひだの状態にできるだけ戻したい
・平行型二重を末広型にしたい
といった希望の人は、VY法以外の術式を検討した方が良いかもしれません。
最後に、実際の症例の写真をご覧ください。



蒙古ひだ形成VY法の特徴、上手く伝われば幸いです。
副院長 黒田大樹

この記事の監修者

副院長
黒田 大樹
OHKI KURODA
